高出力ダウンサイジング4気筒エンジン車両での静粛性向上技術

摘要

近年，CO_2排出削減及び燃費性能向上の為に様々な技術が開発されており，その1つにダウンサイジングエンジンがある．これは基準エンジンに対し，排気量を減らすことで定速走行時では燃費性能を向上させ，加速走行時では過給する事で同等以上の性能を得られる事を特徴としている．今回採用したダウンサイジングエンジンは3.5L 6気筒から2.5L 4気筒へ変更し，スーパーチャージャー及びハイブリッドモーターアシストを設定し，燃費性能と動力性能を確保している．一方で静粛性能の観点ではこの変更に伴い，加速時のこもり音·振動，加速時騒音領域で6気筒に対し，エンジン振動に代表される固体伝搬入力の増加だけではなく，エンジン音，排気音などに代表される空気伝搬入力の増加により車両の室内音，振動が悪化する．本稿では4気筒でも6気筒同等の静粛性を提供すべく，技術開発を行ったその対応技術，特に幅広いエンジン回転領域で効果を得た電子制御型アクティブエンジンマウント（以下，E-ACM）の適用技術を中心に紹介する．