6自由度高応答模型加振装置を備えた1/4スケール自動車用風洞

摘要

車両運動に伴って変化する非定常空気力が車両の操縦安定性に影響を与えることは，各種空カパーツを比較した車両走行時の官能評価を中心に知られている，そのような非定常空気力の現象解明を目的とした風洞実験には，車両模型のヨー方向1自由度加振，あるいは風洞気流の動的な偏向角変化に対して実施されたものが多いが，一方で，縦方向2自由度の加振に対して車両模型に作用する空気力を直接計測した例も散見されるようになってきた．河上らも，単純化された車両模型であるAhmedモデルに対する上下·ピッチの加振実験を実施し，非定常空気力のモデル化を行ってきたが，操舵時の車両運動を総合的に取り扱うためには，ヨー·ロールを含む多自由度系への拡張が求められる．そこで当所では，模型に作用する過渡的な空気力の計測が可能な6分力計とともに，模型の全6自由度加振が可能な加振装置を開発し，新たに導入した1/4スケール模型風洞と組み合わせ，車両模型加振風洞実験設備を構築した．本発表では模型加振装置，6分力計，模型風洞の順に，設備概要を報告する．