ディーゼルエンジンの熱効率および排気性能向上に向けた噴霧内EGRに関する研究（第5報）: CO_2ガス溶解燃料が熱効率および排気特性に及ぼす影響

摘要

現在，化石燃料の枯渇化や排出ガス規制が問題視され，内燃機関はさらなる熱効率の向上，低エミッション化が求められている．ディーゼル機関はガソリン機関と比べ，熱効率が優れているが，粒子状物質（PM: Particulate Matter）および窒素酸化物（NO_x: Nitrogen Oxides）の排出が課題となっている．ディーゼル機関において，PMおよびNO_xの排出を改善するためには，混合気の形成過程が重要となる．特に，希薄で均一な混合気の早期形成を行なうためには，噴霧の微粒化が不可欠となる．現在，噴霧を微粒化する手法の1つとして，燃料噴射圧力の超高圧化が用いられている．しかし，超高圧燃料噴射は投入エネルギに対して微粒化効果が低く，噴射圧力200MPaを超えると液滴粒径の減少が見られない．そのため，超高圧燃料噴射に依らない新たな物理的手法により，噴霧の微粒化を促進させることが必要となる．