トラック荷室上部へのウィンドディフレクタ装着による空気抵抗低減: 実車惰性走行試験の試み

摘要

近年，地球温暖化の観点から，世界規模のCO_2削減が求められている．日本において自動車，鉄道，航空機などの属する運輸部門がCO_2排出割合のおよそ20%を占めている．また，自動車輸送の内訳は，乗用車が49%，貨物車が34%となっている．乗用車においてボディ形状の低空気抵抗化が進み，2001年から2010年にかけてCO_2排出量は10.4%低減し，内燃機関の省燃費化とともにCO_2排出量の低減はその後も行われている．一方で貨物車（トラック）の場合，ボディ形状に関しては荷物の積載量が重要視され，空力技術の適用は殆ど行われておらず改善の余地があると言える．また運輸部門のなかではトラックの占める割合が大きく，トラックの抗力低減化による走行燃費向上は日本全体のCO_2排出量低減に大きな効果があると思われる．