壁温スイング遮熱法によるエンジンの熱損失低減（第6報）: 遮熱膜表面粗さ低減による効果拡大

摘要

自動車が排出する二酸化炭素をはじめとする環境負荷物質の低減は喫緊の課題であり，近年では電気自動車や燃料電池車など動力源の多様化が進hでいる．一方で，今後もHVやPHVを含む内燃機関を搭載する車両の比率は引き続き高い状態が続くと予想され，その効率向上への要求はますます高まっている．内燃機関の熱効率を向上させるには，熱損失，排気損失，ポンプ損失，摩擦損失などの各種損失を低減することが重要である．その中でも，燃焼ガスから燃焼室壁面への熱損失を低減することは，熱効率向上に加え，排気後処理系への熱原資の観点からも非常に重要である．