Diesel Oxidation Catalystの数値解析の研究（第8報）－DOC上での軽油成分の総括反応速度式の実験的導出

摘要

本研究は，ディーゼル車の排ガス浄化に使用されている酸化触媒（DOC）の動作予測を可能とするシミュレーションモデル構築のため，PM再生モード中の高濃度HCの酸化反応パラメータを決定する実験的手法検討の一環として実施したものである．今回は，前回（自技会2016秋季大会，第6報）に報告した希釈反応システムを用いて，軽油に含まれるセタン（n-ヘキサデカン），n-エイコサン，1-メチルナフタレン（1-MN）等の代表的な炭化水素（HC）単成分および軽油等のHC混合物について，Pt-Pd/Al_2O_3をコーティングした試作DOC上での酸化反応速度を測定した．また，測定結果から，反応シミュレーションへの入力に適したラングミュア型の総括反応速度式とそのパラメータ値を導出した．さらに，これらの実験的に求めた反応速度データを自動車排ガス浄化触媒用の汎用シミュレーションソフトに代入して，実スケールDOCの反応挙動を予測し，実際のエンジン排ガス試験結果との比較を行った．これらの結果を報告する．