フルビークル機構解析モデルを用いたハイブリッド車の加速時エンジン始動ショック解析

摘要

車両停車時のエンジン始動により生じる振動については、実験分析によるメカニズムの解明，フルビークル機構解析モデルによる振動予測技術の開発がされており，低振動化が実現している．一方で，加速走行時のエンジン始動は停車時に対し，比較的大きな駆動トルクが急激に負荷された状態で行われるため，エンジンマウント，サスペンションブッシュ，駆動トルク伝達要素が有する負荷依存性等の非線形性の影響が大きく，これらを含む伝達経路等のメカニズムが明確になっていない．また，加速時の始動ショックを予測するには，既存の停車時エンジン始動ショックおよびエンジン駆動系に起因する振動予測技術に加え、上記伝達要素の非線形性を表現するモデル化技術や，ドライバーのアクセル操作，車両走行状態，バッテリ充電状態に応じたモータトルクを算出する制御モデルが新たに必要である．