燃料電池電極用触媒インクの構造解析

摘要

触媒インクは、白金（Pt）などのナノ微粒子触媒が担持されたカーボン粉（以下、触媒カーボン）と高分子電解質（以下、アイオノマー）溶液、およびこれらを分散させる分散溶媒で構成される多成分系ディスパージョンである。触媒インクの作製方法は、これらの材料を所定分量で混合し、機械的乳化法で均一に分散させて得られる。作製された触媒インクの物性は、原料材料はもとより、分散溶媒種や乳化分散法によっても影響を受ける。このような物性への影響は、触媒インクの「構造」が起因していると考えられるが、未だ不明なことが多い。そこで、触媒インクの構造を明らかにする必要が出てきたので、触媒インク構造解析手法の開発を行った。