水路を利用するマイクロ水力発電（コアンダ効果を利用した流量制御並びに開水路におけるドラフト板の効果）

摘要

農作業支援のための水動力利用の歴史は古い。近年はエネルギーと環境の問題から、農業用の水路を利用するマイクロ水力発電の開発が多くみられる。水路を利用する場合、草や小枝、更にはビニール、ペットボトルなど多種多様な混入物があり、水車運転の障害となっている。そこで、多くの場合は水車直前に除塵スクリーンを設けて定期的にゴミを除去している。本プロジェクトでは、水圧管を持たず、装置全体が露出しており、除塵装置も設けず、除塵などの短期的メンテナンスも不要で、しかも安価な水車の開発をしている。著者等が開発した方式の例を図 1 に示す。水流の一部が混入塵埃と共に水車上面を通過させる方式で、水車への過剰水生の流入制限効果も果たす。本水車を「出羽水車」と呼hでいる。図 1 に示す出羽水車は、導水路を下流側に水平移動すると、水路と導水路間に隙間ができるので、この隙間から水流が落下して、水車方向への流量を減らす効果がある。更に移動すると、全水生が水車前方の落差工から下流側水路に落下して、水車に送り込まれる水最は無くなる。設置工事やメンテナンス時に極めて有効である。ただし、導水路を僅かに水平移動させて、水路と導水路間の隙間から水流の一部を落差工に落下させるとき、この隙間にゴミが詰まることもなる。