耐応力腐食割れ特性に優れるコールドスプレー皮膜の基礎的検討

摘要

本研究においては、これらの問題の改善を目的に、固相粒子積層技術であるコールドスプレー（CS）法の原子力発電プラント損傷部への適用を検討した．CS法は1-50μmの金属粒子を圧縮ガスにより超音速まで加速させ、未溶融のまま基材に衝突·堆積させて成膜を行う技術である．本手法は、大気中での施工が可能であり、大電源を必要とせず、厚く緻密な膜が作れ、付着した粒子および基材に熱影響部が存在しないといったメリットがあり、低コストかつ入熱の少ない革新的な補修技術としての開発が進められている．そこで本研究では、原子力プラント配管部の耐食性·耐応力腐食特性を向上させる目的で、CS法によるコーティング技術の開発を実施した．