長楕円体状青果物を対象とした6 面同時撮像による全面検査選別システムにおける識別性能の評価と性能向上手法の検討

摘要

現在，青果物を対象とした選別機は重量を選別規準とした物が殆どであり，外観品質の選別作業は長時間の目視によって行われている．しかし，形状やキズ等に対する選別規準は各不良を示した等階級規格表(図1)との比較であるため選別作業員の個人差によりばらつきがある．そのため，選別規準の均一化が困難となっており商品価値の低下が問題となっている．本研究では，長楕円体状青果物を対象として，選別作業の自動化および選別基準均一化を目的とした全面検査選別システムの開発を行ってきた．本論文では，JA 芸西村の農作業従事者が選別した赤ピーマンを用いて大きさ，キズ，および形状不良の識別性能評価を行うと共に，細かいキズ，複雑な形状不良や鏡面反射に対応するために，光源などの撮像環境および新たなアルゴリズム識別手法の改良について検討する．