FRITを用いた制御弁の開度制御

摘要

空調システムなどで用いられる管路内の流体を円滑に輸送するために，管路に設置された制御弁を適切に制御することは非常に重要である．一方，そのようなシステムはすでに設置されていることが多いため，制御対象が経年変化した場合においてもなるべく短時間で保守や点検を行い，データを直接用いて制御性能を回復させるような制御器チューニングが行えるということは，実用的な観点から重要である．ところで，実験データを直接用いて制御器のパラメータを調整する手法として，Iterative Feedback Tuning(IFT)[1], Virtual Reference Feedback Tuning(VRFT)[2]，Fictitious Reference Iterative Tuning(FRIT)[3]などの研究がなされている．特に本研究で用いるFRITやVRFTは一組の実験データのみで制御器が調整可能であることから，短時間かつ低コストでの制御器設計が可能であるといえる．