全変動ノルムを用いた単一画像からの超解像アルゴリズム

摘要

物理的に実現可能などのような観測系も,ある周波数以上の高い周波数成分を観測することはできない.このように帯域制限された観測データから原信号を復元する問題は,観測することのできなかった高い周波数成分まで復元することと等価であり,超解像(Super-resolution)とよばれ,信号処理の分野で過去多くの研究が行われている.画像のオーバーサンプリングを行うためには復元画像を帯域制限条件を満足する画像の集合に限定しなければよいのだが,この条件では観測拘束を満足する画像は無数に存在することになる.この不良設定問題を解決するために正則化法を用いる.無数にある画像群の中から,「最も望ましい画像」を一つ選択するために,「望ましくなさ」を数学的にノルムとして定義し,このノルムを最小化する画像を観測拘束を満足する画像の集合の中から選び出す,拘束付最適化問題として定式化する.さらにこの拘束付最適化問題を解くことで高解像度画像を得る.