現実的なクレーン動作を考慮したブロック積み替え問題の数理計画問題としての定式化

摘要

規格化されたコンテナは何層にも積み上げることができるため，大量の物資を効率的に保管·輸送することができる．実際，コンテナによる大量輸送は近年発展を続ける国際物流ネットワークにおいて重要な位置を占めている．物流の中継点である港湾のコンテナターミナルにおいて，コンテナはコンテナヤードと呼ばれる場所に積み上げられて保管され，その後順次運び出される．しかし，この際にコンテナが運び出される順序は一般に積み上げられた順序と一致せず，次に運び出すべきコンテナの上に別のコンテナが積まれている状況が起こりうる．ヤード内のコンテナ移動に用いられるガントリークレーンは一番上に積まれたコンテナしか動かせないため，この場合，上に積まれているコンテナを別の場所に積み替える必要がある．このような積み替えの手間を削減することにより，コンテナ管理の効率，さらには物流システム全体の効率を向上させることができると考えられる．