ばね鋼の疲労強度に及ぼす超音波ショットピーニングの影響

摘要

近年，表面処理として新しいショットピーニング技術の開発が進hでいる．例えば，金属表面における表面粗さの低減を目指して超音波ショットピーニング（USP）が利用されている．USPは，振動工具上の小径鋼球を超音波によって振動させることで，被加工物に衝突させる技術である．鋼球の衝突によって，ピーニング効果を生み出すショットピーニングの一種とされている．USPで付与される残留応力は従来加工と同等以上であり，表面劣化は従来工法に比べ少ないことから面圧強度にも有効な方法とされている．USP装置もコンパクトで局所的な加工にも適した特徴を有する．このUSP処理は機械構造物の主に溶接部の面圧強度を増加させるために用いられている．しかし，USPに関する研究はあまり多くない．とくに，ばね鋼に関する研究はほとhどみられないのが現状である．そこで，本研究ではUSPがばね鋼の表面特性や疲労強度に及ぼす影響について調べた．