安心安全で持続可能な社会に向けた機械工学における大学院教育の新しい取り組み

摘要

同志社大学大学院·理工学研究科·機械工学専攻では，「安全·安心の設計システム技術者養成課程（プログラム代表：藤井透）」が2008 年度（2008 年度～2010 年度までの3 年間）文部科学省·大学院教育改革支援プログラムに採択されました．本課程は，安全な機械が設計できる技術者を，講義とフィールド実習の両面から育成するものです．授業を通して機械構造物の安全設計に必要な基礎学力を各分野から偏りなく修得すると同時に，安全に関する規格，法律，技術者倫理を体系的に学びます．同志社大学の建学の理念である「良心教育」に基づき，国際的視野に立って安全·安心がpriority No.1の機械工学分野の人材を養成し，併せて，先端研究を通じて高い問題解決能力も身に付けさせます．博士課程の前期学生においては課程において，自動車，建機·建設，工作機械，総合試験機メーカーや公的機関などにおいて事例調査に取り組み，派遣地も，国内は北海道から九州，国外はアジア（シンガポール，中国など）から欧米（アメリカ，ドイツ，スウエーデンなど）の地域に広げ，年度末に報告会も開催しました．また，安全設計の経験を学ぶため，専門家を囲hでのイブニングセミナー（図1）も開催しました．加えて，博士課程後期の学生においては，国際的素養を一層培うため，国際研修（3～12 ヶ月），プロジェクトマネジメント実習，同成果を報告する連携大学国際学生報告会を開催しました．本報では，それらの活動の結果を報告いたします．