電気防錆加工法システムの研究開発: 水加工システム導入と機関共同研究展開検討

摘要

切削や研削といった機械加工のものづくり現場では，加工液(切削油，研削液)が使用されている．加工液は油剤·極圧添加剤·界面活性剤·防錆剤·殺菌剤など多種薬品を含むため，加工時のミスト化や飛散での工場現場の汚れ·臭いといった工場環境悪化や作業者の健康影響が危惧される．使用後は高コストの廃液処理(焼却や凝集沈殿など)やそれによるCO_2生成等で環境負荷が発生する．産業の環境に対する影響は世界経済の発展でより大きくなり，高精度な生産と省資源，環境汚染や公害防止を達成する持続可能開発が求められている．そこで，様々な環境調和型加工法が開発されてきた．ここにおいて，資源豊富で無害な水(水道水など)を加工液とする水加工システムを開発してきた．水加工の実用化と普及に向け，企業現場への導入や，機関連携での研究展開検討について述べる．