東日本大震災被災地の医療施設における非常用発電設備の実態調査

摘要

東日本大震災以降、非常用発電機は、停電時に法的に必要な防災用負荷に電源を供給する役割のほか、災害時に建物機能を維持するための保安用負荷に電源を供給する役割として重要性が高まっている。し かし、現在の非常用発電機の設置に関する法令は、防災用負荷の小容量·短時間運転の発電機に関するものに限られており、非常時における医療機関の事業継続のための、保安用負荷の大容量·長時間継続運転の発電機に関する法令は存在しない。そ のため、どの程度の「供給容量」と「供給時間」が必要であるかが課題となっている。そ こで本研究は、東日本大震災の被災地域の医療施設を対象に、非常時の発電システムの「供給容量」と「供給時間」の過不足を調査し、不足した施設における計画課題を把握し、今後の非常時発電機計画の基礎資料とすることを目的とする。