エネルギーシステムシミュレーションに関する研究システム基本計画時の建物負荷想定に用いる熱·電力負荷原単位の更新

摘要

建物や地域のエネルギーシステムシミュレーションには、年間の熱·電力負荷推移の想定が必要である。図1に示すように、一般的に基本設計段階では建物仕様から詳細な負荷想定を行える。しかし、計画初期の基本計画段階では詳細な仕様は決まっていないため、建物用途と建物規模等の限られた情報から負荷想定を行わなければならない。現在そのような負荷想定には、単位面積あたりの負荷の統計値である熱·電力負荷原単位が広く用いられている。しかし、既存の負荷原単位は20年以上前の調査データから作成されたものである。そのため、原単位は現在の負荷実態とは大きく異なると考えられており、更新が求められている。そこで本研究では、近年の建物の負荷データを調査し、新負荷原単位を作成する。そして、既存原単位と負荷特性の比較分析を行い、負荷想定の差異がエネルギーシムテム計画時に与える影響を分析する。