超高張力鋼板における破断予測モデルの構築（第2報）－局所異方性のひずみ依存モデルと延性破壊条件式による破断予測

摘要

自動車の車体軽量化と衝突安全性能の向上のため，高張力鋼板の適用が増加している．それに伴い，高張力鋼板の破断挙動を精度高くシミュレーションするニーズが高まっている。前報で著者らは破断時における局所塑性変形の異方性特性を高精度で計測し，局所異方性のひずみ依存材料モデルの概念を提案した．本報告では薄鋼板に最も利用されているHill型の異方性降伏関数を改良し，汎用ソフトウェアLS-DYNA用の材料モデルのプログラムを開発した．さらに延性破断条件式を用いて超高張力鋼板の破断強度を予測する手法を構築した，本手法の精度を検証するため，引張強度がそれぞれ440MPa級、780MPa級、980MPa級、1180MPa級の鋼板における引張り破断挙動を解析し，実験結果と比較検討した．