異方硬化を示す6000系アルミニウム合金板の材料モデリングと実験検証

摘要

一方，自動車軽量化を目的として，アルミニウム合金板の適用が進hでいる．自動車ボディパネルへのアルミニウム合金板の適用を拡大するためには成形性の向上が必要である．アルミニウム合金板の成形性向上には，多結晶塑性解析が有効である．例えばYoshidaらは，fcc金属板の成形限界ひずみに及ぼす集合組織の影響を詳細に計算し，Cube方位を多く含む集合組織において，平面ひずみ引張から等二軸引張領域において，成形限界ひずみが大幅に向上することを定量的に予測している．本研究では高いCube方位密度を有する6016-T4板材を供試材として，二軸応力下での加工硬化特性を測定し，その異方硬化挙動を再現できる材料モデルを作成し，有限要素解析による液圧バルジ成形シミュレーションによりその有効性を検証することを目的とする．