光グリッドにおける計算·波長資源管理：緩和によるモデル予測制御

摘要

光グリッドはWDM（波長分割多重）ネットワークを介したグリッドコンピューティング実現のための重要な技術である．光グリッドでは，従来のグリッドコンピューティングと同様に，複数のクライアントが計算資源を共有して利用しなければならない．それゆえ各クライアントは，利用可能量が動的に変化する計算資源を有効利用することが望まれる．また，光パスを設定するための波長資源も複数のクライアントで共有されるため，波長資源の有効利用も必要不可欠である．そこで著者らの一部は，PID 制御を用いた動的な手法を提案した．さらに，波長設定·解放や制御動作中の波長制約の変化を考慮し，モデル予測制御(MPC) を適用した．しかし，後者では光パス設定·解放などは混合論理動的(MLD)システムを構成するのに相応しいが，いわゆる混合整数2 次計画(MIQP) 法が対応するMPC の生成が必要となり，計算時間が膨大になるという難点がある．そこで本論文では，緩和された2 次計画(QP) 問題に対して，MPC に基づく資源管理方式を提案する．これはリアルタイム実装が可能である．提案法の有効性を確認するため，従来法と比較した数値例を示す．