血管樹状構造に着目した肝臓の変位·変形解析

摘要

MR ガイド下集束超音波治療を呼吸による変位·変形のある肝臓などの臓器へ適用する場合には，患部の動きを特定し，超音波の照射位置を追従させる手法が必要である．MRIは放射線被爆がなく，撮像スライス方向を任意で決定できることから術中誘導の手段としても有用であるが，高速撮像が困難であるため3 次元データの時系列的な観察が難しいという問題点がある。そこで，これまでに血管位置に注目した照射位置推定手法が提案された．しかし，この手法は矢状断画像の面内における推定にとどまっているが，実際には臓器の移動·変形は3 次元的であり，面外方向についても考慮する必要がある．本稿では，肝臓の樹状構造に着目し，照射位置とその周辺組織について解析を行ったので報告する．