非ホロノミックシステムにおける可制御性構造と入力数の関係について

摘要

非ホロノミックシステムとは，不可積分な拘束を受けるシステムのことであり，状態よりも少ない数の入力で制御されうるという特徴を持つ．入力数が少なくなると，操縦桿やアクチュエータの数を減らすことができるため，機構を簡略化できメンテナンス性やコストの点で有利になる．非ホロノミックシステムの例としては，特殊直交群SO(k) や特殊ユークリッド変換群SE(k) 上の剛体などがある．これらは，Lie 群上の左不変システムという非常に整った数理的特性を持つものである．この左不変システムは，大域的な解析がしやすく，系統的な制御系設計法が提案されているなど，実用上重要なクラスである．さらにでは，複数の左不変システムからなる大規模なシステムに対し，比較的少数の入力を用いた場合でも可制御になりうる例を示している．本稿では，の考え方を一般化し，左不変システムを対象として，システムの可制御性構造と制御するために必要な入力数との関係について考察する．