その場メスバウア効果測定による微生物由来酸化鉄/リチウム電池の充放電時の鉄状態変化

摘要

鉄酸化細菌は自然界の水のある色々な場所で見かけることができる。それらの作り出す茶褐色の浮遊物質を電子顕微鏡で観察すると、リボン状、管状、糸状など独特な興味深い微細構造を持った鉄酸化物であることがわかる。 Leptothirx Ochraceaが作り出す酸化鉄(L-BIOX)は、鉄、ケイ素、リンを含hだ非晶質ナノ微粒子が寄り集まって約1 mu mの口径を持つ多孔質チューブ形状を持っている。我々はそのような鉄酸化物の材料応用を探っている。その一項として電池材料としての特性を調べた結果、高い容量と高電流密度での良好なサイクル特性からリチウムイオン二次電池の負極材料として有望であることが分かってきた。 一方、メスバウア分光法は鉄の価数や配位状態を調べる非常に優れた方法である。LiとL-BIOXを電極として電池を組hで充放電を行うと同時に、メスバウア効果のその場測定を行うことで、充放電時における鉄の化学状態変化を連続的に調べ、高い特性示すメカニズムについて検討を行った。