錯体重合法およびパルス通電焼結法を利用したSrTiO_3系熱電変換材料の合成

摘要

熱電変換材料を利用した熱電発電は，各種工場や焼却炉あるいは自動車などから排出される廃熱，すなわち，これまでは回収が困難で大気中に無駄に捨てられていた低質な熱エネルギーを電気エネルギーとしてリサイクルすることが可能な発電方法である．また，発電に降し，CO_2などの排ガスを発生せず，機械的稼動部もないため，基本的にメンテナンスフリーでクリーンなエネルギーリサイクルシステムとしてその実卿化が期待されている．熱電変換材料としては金属間化合物系や酸化物系など多くの種類があるが，特に，大気中での安定性や優れた熱電性能から，酸化物系材料が注目を集めている．p型材料として株高性能を示すNa_xCo_4やCa_3Co_4O_9などが知られているが，一方n型材料では, ZnO系やSrTiO_3系があるものの，p型材料に比較しで性能が低い点が課題となっている．