粉末冶金法により作製した酸化チタン分散強化純チタン押出材の強度特性

摘要

軽量かつ高強度な材料として知られているチタン合金の中でも，最も一般的であるTi-6Al-4V合金は，比重が鋼鉄の約45％，引張強さ900～1200MPaと優れた材料特性を有している．一方，破断伸びはおよそ10％と延性に欠けることに加えて，加工性が悪く合金元素としてレアメタルを使用することなどから，将来の材料コストの高騰が懸念される．このような欠点から，チタン合金を軽量·高強度用途として採用する製品は一部の高性能製品や高級レジャー用品などに限られる．本研究ではチタン材料としては比較的安価であり，優れた延性を有する純チタンを原料粉末とし，酸化チタン（TiO_2)粉末を粉末冶金法により単純混合することで酸化物分散強化を適用したチタン材料を作製してその力学特性を評価した．