カーボンナノチューブを含有した焼結AZ31Bマグネシウム複合材の電気化学特性

摘要

AZ31Bマグネシウム合金は，大きい比強度をもつことから自動車産業および航空宇宙産業において優位材料であると考えられる．さらにマグネシウム粉末にカーボンナノチューブ（Carbon Nano Tube)：以降CNTと略記）を含有させることにより，CNTが表面にネットワーク上に分散し材料の機械的特性を向上させることが知られている，しかし含有したCNTがカソード極として作用し，耐食性が低下する可能性がある.一方，このような複合材料の腐食に対する研究報告は少ないのが現状である．そこで本研究では，放電プラズマ焼結法を用いて作製したCNTを含有したAZ31Bマグネシウム基複合材料の電気化学特性を報告する.具体的には分極曲線測定,電気化学インピーダンス分光法(Electrochemical Impedance Spectroscopy：以降EISと略記）測定および自然浸漬電位の経時変化測定を行った．