円管オリフイス下流における熱伝達構造の挙動

摘要

近年，発電プラント用配管内において，流れ加速型腐食（FAC）に起因する配管の減肉事例が報告されている．配管の肉厚管理のために，腐食速度予測のモデル化が試みられている．我々はこれまでに，高速度赤外線カメラを用いた手法により円管内乱流熱伝達の非定常測定を行ってきた．FAC は物質伝達に支配された現象と考えられるが，物質伝達と熱伝達の間にはアナロジが存在するため，熱伝達率の非定常測定により減肉速度予測モデルの精度向上に寄与できる可能性がある．本報では，高速度赤外線カメラを用いた手法を円管内オリフィス下流における熱伝達の非定常測定に適用した．その結果，熱伝達の構造が時間とともに移動する様子が観測された本研究ではこの熱伝達構造の移動速度の評価を試みた．