R1234ze（Z）のチタン製伝熱管上におけるプール沸騰熱伝達特性

摘要

現在，冷凍空調機器などに使用されている HFC 系冷媒はGWP（地球温暖化係数）が非常に高いため，より GWP の低い冷媒への転換が急務となっている．近年，代替冷媒の一つとして HFO 系冷媒 R1234ze（Z）が注目を集めており，その化学的性質や熱物性などに関する研究が行われつつあるが，実際のシステム設計に必要な熱伝達特性に関する報告は少ない．また，海水などを熱源水とする化学プラントや発電プラント内などの熱交換器において，伝熱管の腐食が問題となっており，この解決方法の一つとして，耐食性の高いチタン製伝熱管の使用が挙げられる．そこで本研究では，冷媒飽和温度 10.30 および 60°Cの条件において，R1234ze（Z）のチタン製平滑管（以下，平滑管）およびチタン製伝熱促進管（以下，促進管）上における沸騰熱伝達率を測定し，熱伝達特性に及ぼす飽和温度および熱流束の影響について検討した．