近接場蛍光を用いたナノスケール温度センシング手法の開発～高感度温度計測を実現する新たな近接場プローブの検討

摘要

近年，高密度集積回路などの電子デバイスや，ナノ新材料の研究·開発が盛hにおこなわれている．これらの熱設計·熱的評価のためには，ナノスケールの空間分解能を有する温度測定が必要不可欠である．さらに，工学的応用を考えると，試料に非接触であることが望ましい．非接触測定を行うためには光学式の測定が一般的であるが，従来の光学式測定法では光の回折限界のためナノスケール空間分解能の達成は非常に困難であった．そこで，著者らは近接場光と蛍光を利用することで，ナノスケールの空間分解能および非接触な温度測定が可能な近接場蛍光熱顕微鏡(Fluorescence Near-field Optics Thermal Nanoscopy: Fluor-NOTN)の開発を行っている．本報では，高感度温度計測を実現する新しい近接場プローブの検討をおこなったので報告する．