グラフェンに適用される分子動力学法における過渡分散関係行列からのフォノンモードω(k)のスプライン近似関数

摘要

ナノ構造材料および複合材料の熱特性の計算のためには，輸送フォノン周波数，群速度および寿命特性の知識が不可欠である.本研究では加熱されたグラフェンナノリボンを，状態密度(DOS)および熱伝導率の一時的なGreen-Kubo処方における分子動力学(MD)法によって解析する.前年度までの研究では、フォノン分散関係についてFFTの微分をし，全てのフォノンモードについて群速度の極大値の抽出を行い，各ブランチにおいて不均ースプライン補間を行うことによってフォノンモードω(k)の情報を抽出し，群速度の評価を行った.本研究では，昨年行った群速度の評価の精度を高めることを目的とする.具体的に，群速度の評価を行うために2次元フォノン分散関係図から不均ースプライン補間を行うための6点の補間使用点を選択する補間使用点自動選択モデルを作成し，不均ースプライン補間を行った結果から，数値手入力ではなく数値自動選択の場合であっても群速度の評価の精度が高くなるように検討し，分散行列からフォノンモードを評価する.