微小重力場を用いた対向流予混合火炎の燃焼限界および球状火炎の形成にルイス数が及ぼす影響に関する研究

摘要

予混合火炎の燃焼限界に関する知見は，宇宙利用や防災上の安全指針作成のために重要であるのみならず，実用燃焼器の高効率化に向けた希薄燃焼技術開発に不可欠である．過去の研究では，伝播予混合火炎の燃焼限界を調べるため，微小重力場における対向流火炎に着目しルイス数(Le）0.97から1.8の条件で研究が行われてきた．ここで微小重力場を用いるのは自然対流の影響を排除するためである．これと並行して，静止予混合気中のみに存在するFlame ballの存在が理論計算で予測され，落下塔や宇宙での実験および数値計算によって明らかにされている．Flame ballは低ルイス数混合気中に形成される伝播性を持たない特異な火炎であり，予混合伝播火炎の燃焼限界以下の燃料濃度でも存在する．