産業用新4.6L ディーゼルエンジンの開発

摘要

新4.6Lディーゼルエンジンである4TN107シリーズは、低燃費、コンパクト、優れた信頼性、広い出力レンジなどのオフロード機械に対する要求を満たし、厳しい排ガス規制に準拠することを実現した。以下に各項目のまとめを示す。1. Singleターボ、2stageターボの両方を採用し、同じエンジンの基本構造で95～155kWの広い出力範囲を実現した。2. DPF+SCRを搭載することで、EU Stage V/EPA Tier4 Finalの排ガス規制に対応した。3. シリンダライナ-ピストン間の摩擦損失低減を狙ったオフセットクランクや、Stepped-bowlタイプの燃焼室を備えた鋳鉄ピストン等の採用により、クラストップレベルの低燃費を実現した。4. 舶用エンジンの設計思想である単気筒ヘッド構造をマルチシリンダヘッドに応用し、シリンダヘッドおよびシリンダブロックの周辺部品を可能な限り一体化する設計とした。これにより、高出力・コンパクト化、シール部削減による漏れリスクの低減、組立工数の低減を実現した。5. ブローバイガスフィルタをシリンダヘッドカバーと一体化し、コンパクト化、および凍結リスクを回避した。また、3-Step再生方式の採用により、優れた信頼性を確保するDPFシステムを実現した。