接地システムのモデリング手法に関する研究と改良

摘要

雷保護設計に対して，大地電位上昇は考慮しなければいけない重要な要素の一つである。雷が配電システムや建物に落ちた時の大地電位を定量的に評価する手法として，FDTD 法をベースとした電磁界解析手法や，EMTP を用いた回路モデルが発表されている。回路モデルの例では，これまでに，π型等価回路，高周波回路理論に基ついた分布定数回路などが提案されている。これらの解析モデルは，高い精度が得られている上，EMTP にも導入しやすい。しかしながら，これらは比較的単純な棒状電極を対象とした解析モデルとなっている。他方，棒状の接地電極以外，例えば銅板や接地網など様々なタイプの接地システムに対して，個別に数理モデルや等価回路を得るには，極めて複雑なモデルとなり，精度良い解析モデルを構築するにはかなりの労力を有する。