多回線直流送電の直流線路事故時における発電設備の運転継続法

摘要

近年の風力発電機の大容量化とそれによる低コスト化に伴い，世界的には出力数百MW 級の大容量の洋上風力発電設備の建設が進められている。洋上で風力発電を行う場合，洋上風力発電設備と，陸上の交流系統を結ぶ送電系統が必要となる。またその送電系統は，海底ケーブルにより構築される。しかし，海底ケーブルによる交流送電系統では，ケーブルの対地静電容量により無効電力が発生するため，長距離化と大容量化を行おうとすると設備コストが増大することが知られている。複数地点の洋上風力発電設備を導入し，100 km 以上にわたり数GW 級の送電を行うことを想定した場合には，高圧直流送電を採用することにより設備コストを抑制できる可能性がある。