う蝕の画像診断に向けたフォトンカウンティングエネルギー弁別撮像

摘要

現在、歯科分野での画像診断は広く普及し、歯科医でよく見かけるパノラマX線撮像に加えてX 線CT も普及が始まっている。CT は三次元構造を撮像するのが本来の目的であるが、加えて、その原理から得られる画像が減弱係数マッピングであるため二色X 線CT 法などを用いて材質の識別能を持たせた機能性イメージングの可能性ももたらす。実際に、う蝕（いわゆる虫歯）の詳細把握のため機能性画像診断の可能性が検討されている。本研究ではこれまで本研究グループが開発および提案報告してきたフォトンカウンティング型のCdTe イメージングデバイスを用いて二色X 線CT 法を拡張し、う蝕の画像診断に向けたエネルギー識別による材料差の抽出を行い、エナメル質、象牙質、う蝕部位の画像弁別を試みた。