光励起によるTiO_2表面と水(H、OH)の結合エネルギー変化の理論解析

摘要

TiO_2は水の酸化還元反応により水素、酸素を生成することが知られ、光触媒として様々な用途で利用されつつある。同一組成のTiO_2でもアナターゼとルチルでは光触媒活性の違いが大きく、特にアナターゼで触媒活性が高い。前回の秋の発表では水素に伴って拡散するポーラロンの違いにより水素拡散がアナターゼで速く、これが触媒反応違いの大きな要因の一つであることを示した。今回は、TiO_2表面で水がHとOHに分離して解離吸着したことを想定する、その時HとOHはそれぞれ、酸素原子とTi原子に吸着すると考えられる。これを光励起することで水素分子が発生するが、そこで活性の高いアナターゼ表面における光励起の役割の解明を試みた。