プラズマプロセスによる水素脆性防止膜の作製と評価Ⅱ

摘要

米国Battele研究所によれば、材料の破壊事故による損失はGDPの4%にも上る[1]。なかでも、水素の侵入により構造物が脆く壊れる「水素脆化」は、日本のお家芸である自家用車や電車等に最も多く利用されている金属材料の最大の破壊要因であり、その損失はGDPの1%（数兆円）以上とも言われている。さらに地球温暖化防止に役立ち、かつ天候などに左右されない安定な電力供給源となり得る「水素エネルギー」関連機器は、常に高圧の水素ガスに晒されることが宿命付けられている。よって、これらの関連機器は耐水素脆化能力をもつ高価な金属を利用しなければならず、コスト高による水素エネルギー関連機器の普及を妨げる要因の一つとなっている。