二次元/三次元混合ハロゲン化鉛ペロブスカイト化合物薄膜の耐久性評価

摘要

ペロブスカイト太陽電池は、溶液塗布法により容易に成膜が可能であり、エネルギー変換効率も25％を越えていることから、次世代太陽電池の候補として注目されている。一方で、その実用化には、ハロゲン化鉛ペロブスカイト化合物層の光、熱、大気暴露による低耐久性に起因した性能劣化が大きな課題となっている。ハロゲン化鉛ペロブスカイト化合物の混晶化により同化合物の耐久性が高まることがいくつかのグループで報告されている。また、かさ高い有機カチオンを部分的に導入した二次元/三次元(2D/3D)混合ハロゲン化鉛ペロブスカイト化合物において、劣化の抑制が報告されている。本研究では，single cation (MAPbI₃)およびdouble cation (FA_(1-x)MA_xPbI_(3-y)Br_y)の3Dペロブスカイト化合物にn-Octylamine Hydrobromide(n-OABr)を添加した2D/3Dヨウ化鉛ペロブスカイト化合物薄膜を作製し、その構造及び物性を明らかにするとともに、大気下での同薄膜の安定性について定量的な評価を行った。