ASR 劣化したコンクリート構造物の詳細調査に対するX 線回折法の適用性に関する基礎検討

摘要

アルカリシリカ反応（ASR）により劣化した構造物の補修・補強を行う場合，最も重要なことはASR の膨張に対する現状把握と将来予測である．それらを評価する方法として岩石学的試験があるが，膨張力がどの程度構造物に作用しているかは評価できない．そのため本研究では，ASR に起因したコンクリート構造物の詳細調査に対して，X 線回折法を原理とした鉄筋の残留応力測定法を適用し，コンクリート構造物へ作用している膨張力の評価を，X 線回折法から得られた鉄筋の残留応力から評価可能かどうか基礎的な検討を行い，その可能性を示した．