ロボット掃除機の高寄与音源に着目した騒音分析と改善

摘要

本研究では効果的なロボット掃除機騒音低減を目的に，高寄与音源に着目し様々な実験やCAE を通じ，その音源や伝達系の特徴を把握した上での騒音低減を目指した．そのためにはじめに，ロボット掃除機の放射音増大の要因を特定する目的でロボット掃除機の音響伝達関数を測定した結果，2200 Hz 帯に伝達関数のピークを確認でき，研究対象のロボット掃除機は2200 Hz 帯の音を増幅する内部構造をもつことがわかった．さらにCAE を用いた解析の結果，その主要因はダストボックスの音響特性であることがわかった．そこでダストボックスの形状変更により共鳴周波数を高周波に移動させ，さらに形状変更により生じたわずかな余剰空間をヘルムホルツ共鳴器として利用することで図10 のように最大10 dB 放射音を低減することができた．また，ダストボックスに内容物がある状態での低減方法の有効性も確認できた．