等価回路と有限要素法を併用したマイクロスピーカーの周波数応答解析の一検討

摘要

近年，スマートフォンやオーディオプレイヤーなどの小型音響機器が急速的に普及している．それらに搭載されるようなマイクロスピーカーは筐体内の限られた空間に収まるように緻密に設計することが必要とされている．従来では，音響等価回路解析法による設計が行われてきたが，小型音響機器の小型化並びに複雑化が進hでおり，実測特性を正確に再現できないという問題点がある．そのため，小型音響機器の設計においては十分な経験を積hだ技術者によるカットアンドトライ設計に頼らざるを得ないのが現状である．一方，近年では有限要素法(FEM) を利用することでマイクロスピーカーの数値解析を行う試みがなされている．そこで，本稿では気室や音孔といった音響構造部分を有限要素法による数値解析に置き換えた，電気–機械等価回路と有限要素法とを組み合わせた周波数応答解析を検討する．そしてその有効性を実測特性の再現性という観点で，他の手法と比較することで実証する．