固定燃焼発生源からの凝縮性粒子の排出量推計

摘要

従来の発生源調査では、工場や発電所など固定燃焼発生源から排出される半揮発性成分（凝縮性粒子, CPM）を測定できておらず、排出規制・発生源データベース・大気PM2.5 に対する寄与評価などにおいてもCPM が抜け落ちているという問題が知られている。われわれはこれまでに、東京都などが実施したCPM を含むPM2.5 の発生源調査（以下、行政調査）のデータを利用して、CPM を含む全粒子の排出量の初期推計を実施した。その結果、大気中の有機エアロゾル(OA)に対してCPM が重要な寄与を持つことが示唆された。ただ、初期推計においてはCPM の排出特性を考慮していなかったため、本研究ではCPM の排出特性を考慮したCPM 排出量推計を実施した。