特殊分岐器の電気転てつ機ロック変位要因とロック不良対策の研究

摘要

電気転てつ機のロック変位は、列車通過時の圧力等により、レールと転てつ機の相対位置が変化することが最大の要因とされているが、一年分のロック変位データを収集した結果、気温の変化も影響していることが判明した。特に春から夏，昼と夜の気温差が激しい時期にロック変位幅が大きくなっている。倉賀野は、列車通過時の圧力に対する「へ形レール」の移動防止，新前橋は、気温上昇に伴うレール温度上昇対策としてレール冷却散水実験と2種類の方法を検証した結果、レール温度を抑えることがロック変位抑制に非常に有効であると判断する。今回、倉賀野は結果的に顕著な改善が認められなかったが、「へ形レール」は、移動防止対策前のふく進最大16㎜、対策後は最大5㎜の移動と「へ形レール」自体のふく進は抑えられているが、「トングレール」が「へ形レール」中心から最大15㎜移動しているため、ロック変位が抑制されていないと思われる。今後、トングレールの変位を抑える対策の検討を行うと共に現在、高崎支社管内一部のロングレール区間で張り出し抑制を目的として検証中であるレール温度上昇を抑制する塗料（遮熱性塗料）を分岐器及び転てつ付属装置へ塗布し、効果を検証する予定である。