障害物検知装置における不要検知の原因究明と対策の実施

摘要

田沼街道踏切における障検の検知回数が多いことに対して、従来の踏切ジャーナル情報による解析に加えて、小型カメラによる動画と合わせて総合的な解析を実施することにより、通行者等に起因する正常な検知以外に、列車の上下連続接近時に不要検知が発生していることを突き止めた。不要検知動作の原因がRPRリレーの瞬間的な扛上落下に起因していると仮説を立て、現場に踏切動作記録装置を設置、詳細なリレー動作の解析を実施し、仮説が正しいことを証明した。不要検知を解消するため、RPRリレーに緩動時素(1秒)を付加した反応リレーを新設、このリレーで障検の受発光器を動作させる新しい対策回路を提案し、作成した模擬回路にて試験を行い、有効性を確認した。さらに、当該踏切の現用設備の電気回路の改修を行い、不要検知を削減することができた。当該踏切では、平成30年12月20日から平成31年2月8日までの間、障検動作22回発生のうち6回が不要検知であることから、仮に本研究成果を適用した場合、6回/22回すなわち27.2%の不要検知を削減することができると言える。