列車出発時間の調整による電力ピークカツト手法の饋電回路を考慮した傾向分析

摘要

電気鉄道の電力消費における特徴として，時間的な変動が大きいということが挙げられる。鉄道システム全体で消費するエネルギーの内約8割は列車の力行で消費しているように電気鉄道は列車の牽引に大部分の電力を使用しており，その電力は加速時に集中的に必要とするためである。このため，列車に電力を供給するための鉄道用変電所や付随する設備は，一般家庭用向けなどの設備に比べて設備利用率が低くなる。また，近年のパワーエレクトロニタス技術の発展により鉄道車両の高性能化が進hだことや，特に都市部のピーク時などにおける列車ダイヤの過密化によつて，電力ピークは上昇傾向にあるといえる。こうした問題に対して，変電所に要求される瞬時の電力需要ピークカットを行うことによって，変電所設備の増大を避ける，あるいは縮小することを可能にして設備利用率を上げ，変電所設備等にかかるコストを抑えることが期待できる。