自立的運用を目指した既存改修型ゼロ•エネルギーハウスの提案と実証評価その2設備•制御計画とエネルギーに関する冬季実測結果

摘要

本研究では日射量予測から算出した発電量の予測値に基づいたHP給湯器の稼働開始時刻およひ稼働時間の調整、蓄電池の充電時間の調整を実践し、制御による効果をシミュレーションにより試算した。以下まとめを示す。1) 日射量に応じたHP給湯器の制御が自立的なエネルギー運用に有用であることが示された。制御を良好に行えた実測日におけるHP給湯器の電力消費量の日平均は3.0 kWhで、制御により自家消費率は約20%向上した。2) 日射量に応じた蓄電池の制御は、売電を平準化し日負荷率の向上に寄与することが示唆された。一方、発電量と宅内の電力消費量を正確に予測することは困難であるため、実測時には充電量の過度な抑制により買電量が増大した。3) 冬季において室内環境を維持するため夜間にエアコンを稼働し続けた場合、蓄電池容量5.6kwhでは、買電量0kwhの自立的な運用は困難であった。