我が国における電気料金に関する研究その1時間帯別電気料金及びー次エネルギー消費原単位の比較·検討

摘要

①日積算電力供給量が最大となる日では一次エネルギー消費原単位の最大値と最小値の差は、原発停止時で0.82[MJ/kWh]、原発稼働時では2.1[MJ/kWh]となる。② 時刻別一次エネルギー消費原単位は電力需要の増加する夏季及び冬季に増加する傾向がある。5月の大型連休や8月の盆休み期間、年末年始等の長期休暇期間には業務用電力需要の減少により一次エネルギー消費原単位は減少する。③ 発電設備構成に占める原発の割合が2〜3割と相対的に大きい東京、関西、四国、九州各電力会社では、原発稼働時の時刻別一次エネルギー消費原単位の日較差が比較的大きく、最大供給日では、最大値と最小値の差は2. 45〜3. 56 [MJ/kWh]となる。④北陸電力は水力発電の割合が2割以上と相対的に大きく、原発稼働•停止時ともに一次エネルギー消費原単位が9社の中で最も小さい。⑤原発停止時では年間の昼間に対する夜間の一次エネルギー消費原単位の比が0.9以上となり、夜間電力利用による一次エネルギー削減効果は極めて少ない。⑥東京電力の昼間に対する夜間の料金単価の比は2002年度以降、増加する傾向があり、2002年度で0.213、2016年の改訂では0.333と1.6倍に増加している。⑦北陸電力と中国電力を除く電気事業者では、原発の停廃止に伴い、昼間に対する夜間の電気料金単価の比は住宅用料金プランで8〜28%程度、法人向け料金プランで約10%増加しており、原発停止時では夜間電力の利用による金銭的ィンセンティブは少なくなっている。