加熱式タバコ臭気の主観評価

摘要

加熱式たばこは近年普及が著しく、従来の燃焼式たばこに取って代わる勢いである。人体影響に関しては、iQOSについて成分分析が行われた例があるが、臭気の主観評価について行われた研究はほとhどない。発生するCOなどが燃焼式たばこより少ないなどの知見から、今後の喫煙可能な空間では、必要換気量算定におけるCOや粉塵の寄与が従来の燃焼式たばこより大幅に減少すると推測される。一方、有害物質のみを基準として少量の必要換気量が設定されることが今後生じれば、データが不十分な臭気環境が劣悪になる可能性が想定されたことから、本研究では濃度をパラメータとした加熱式たばこの臭気評価傾向を把握することを目的として臭気濃度測定と主観評価実験を行った。なお、本報は臭気評価のみを扱うので、今後の生理学的研究などで健康影響に関する知見が追加された場合には、それらが優先されるべきであるという認識であることを申し添える。